2005年08月

むかしの話。
といってもまだ21歳なので
5年前の話になる。
その頃の私を知っている人は
もうそのひとだけになってしまった。
おそらくそのときの私が何をしていて
何を感じていたのかぜんぶぜんぶ知っているのかもしれない。
でもだからといって私は責められることもなかったし
なにも聞かれることはなかった。
それが心地よくて、
あたしはずっと甘えていた。

知ろうとしてくれた時期もあったのだから
全てを話すことができればよかったのだと思う。
でもふたりともとても不器用で、すぐ赤くなっちゃって、
結局何かを話すことも、聞いてもらえることもできなかった。
当時のあたしの話を、
当時の私を知るその人に聞いてもらうことができたなら
どんなに楽になるだろうと思う。
いや話せなくてもいいから、膝に乗せてもらって、私よりもずっと高いその体温を分けてもらって、私も自分の過去の温度を伝えることができたなら、
あたしはブルーグレイよりももう少し明るい色で生きることができるのだろうと思う。
でもそうするにはとても純粋で
けれど明るいCAFEで過去を話せるほど私たちはお喋り上手じゃないので、
やっぱり会っても今の話しかできないんだ。

あおいと順正の運命の恋人的物語り、ではなくて
あおいとマーヴのものがたり、に強く惹かれているらしい。

ここが居場所だと思う時間は長くは続かなくて
ここはひょっとして居場所じゃないかもしれない
でもどうしようもないブルーグレイな。

相手を傷つけることで立っていようと。

『国境の南、太陽の西』
『冷静と情熱のあいだ ROSSO』
『マディソン郡の橋』
『…
 なんかもういっこくらい読んだことがある気がする。

ここではないどこか、
しかしだからといって今が…

をテーマにした作品。

体質にもよるけれど
そもそもここが自分の居場所だ、って心の底から叫ぶことのできる関係を得ること、あんまり、、、というか人生に一度あるかないかかもしれない。
その感覚を知っちゃったらどうしようもない。
感覚と感情はいくつになっても鋭敏かつ繊細でありたいけれど
状況と年齢により、選ぶのがどっちかも変わってきちゃうかもしれない。
裏切りと捉えるか、人生のスパイスと捉えるのか。
感情に振り回されるのもありだけど、クリアな頭も持っていたいと思う。
相手であれ自分であれ、そういう出来事と心境の流れにじっと付き合うのも
自分ではない誰かと向き合うことの一つの物語なのかもしれない。
だから小説にもなりうるんだね。

ひょっとして私は冷たい人間なのかも。
理性よりハートが欲しい。

コンタクトレンズを作りに行った。
ソフトレンズの使い捨てカラーコンタクトに惹かれて四種類全部試したけれど
結局ソノママが一番マトモという結論に達する。

気がついたら眼鏡は5年半以上同じのつかっててハードレンズのコンタクトは三年くらい。
傷も目立ってきたのでそろそろ変え時ですよ、とハードレンズ用の処方箋も書いてもらったら両目で¥30000〜40000!!
バイト代では買えず。
まぁちゃんと扱えばモトは取れるけれど…。
ちなみに私の視力で眼鏡をふつーにつくってもらったら牛乳ビン底の厚さになる。
酷使しないようにしなきゃ。
小さい頃は目医者さんごっこが好きでした。

駅で迷子なおじさんに声をかける。
でっかい緑のスーツケースに、’NRT’(=成田空港)のシール。
さっき日本についたばかりという印。
ロシア人のような大きな身体に栗色の髪がちょこんと乗って、
異国な瞳が英語で書かれた地図を凝視する。

日本語でどうしました、と聞いたのだけど
英語でぺらぺらりん★と返されたので
とりあえず目的地まで200メートルほど、一緒に歩いた。
言いたいことが、言えなかった。聞きたいことが、聞けなかったし
もっといえれば、って思った。

世話を焼くのが好きらしい。
そいで英語とかもつかえたらもっといいなぁ。
そんな仕事ってなんだろう。
あたしらしい仕事。。。

人間関係に於いて。
コミュニケーション不足だったらしい。
ふうっ、っと力が抜けた。

肌。目。ハナ。ミミ。声。

電話って最後の二つしか満たさないけれど
だからこそそれだけに集中できるから
思った以上にいろいろ話せたりもする。

 夜空に響く音に惹かれて結局、連れて行ってもらった。
夏に花火を眺めるのがここ数年の習慣になってきている。日常に一緒にいる友達も仲間も、ぜんぜん別なのに。真夏の夜の、花火の日だけ、まるでその全ての現実をすり抜けるドアが開くみたい。
 なぜ友達になったのだっけ?と話していたけれど結局お互い思い出せなかった。とても他愛のないところではじまるらしい。
 相変わらずの頭のよさが私をふうわりと安心させて、相変わらずの不思議ながんばりやのところがあたしを過去に引きずり込んだ。そうして私はあいかわらず「変な女」らしい。
 でもあたしが変な女であることが、友情とか愛情とか、なんだかそういう暑くて濃いもののなかをすり抜けた上でお互いつながっていられるワケなのかもしれない。

揃えることはできるしなんも不自由してないの。
でも違う意味でそろえなきゃいけない。
ほんと、きりがない。

実は月一度どころの騒ぎじゃなくなってきている。煙草。
一体何を抱えているのだろう。
真夏の白昼にふっと影に落ち込んで泣きたくなる。
きこえないの。自分にしか救えないのに。

衝動にスピードが追いつかない。
でも生きてる感じ。
眩暈がした気がしたけどかまわずお出かけ。
最近の図書館の夕方は図書館にふさわしからぬ首にチェーンを巻いたあたまつんつんのお兄ちゃん(おまけの香りつき、でも色白推定25)が番をしていて、カウンターに本をぼむぼむ積み上げて「貸し出し!」「返却!」「取り寄せ!」につきあってもらっているのでびみょうに顔を覚えられつつある。

斜め前に座っているおじさん(学生)がスターウォーズのあの変なミドリの宇宙老人をパワポに取り込んでフキダシを入れてる。
画面こっちに向けないで。

ロバート・キャパ(写真家)ってユニット名なの!?


<21世紀において腕時計はもはや時間を見るための道具ではない。時間も見られますという感じ。むしろ、自分自身が時間をどのように定義するかを決定するための道具だと考える。>

<いつも「お前には時間がないんだ!」「生きて、生きて、生きまくれ!」みたいなことを言われてもねぇ。
 ひとりでもいいから「肩の力抜いて、マイペースでやりなよ」って言ってくれる大人がいれば、オレは泣いてしまうかもしれない。 >

(『32歳ガン漂流』 奥山貴宏)


can you feel me in??

ここ10日程、体温計を出すたびに37度以上を示される。あたし的に前代未聞でほんのちょっと辛い。ほんのちょっと。原因は?

キャンパスで迷子的ドイツ人風の青年とちらりと目が合う。
というか目力でにらんでしまったのかもしれない。妙に背が高い。

22歳にしてUS NAVY出身。ねいびー。かいぐん。はぐらかすような笑顔が妙に鮮明に残る。

ディエゴ・ラミセス。チリの地図は上下ポッキリまっぷたつ。

フランス人のお兄さんにハートをもらった(キザっていうよりハイ・カラーだね)。折り鶴の折り方を教えてあげたお返しに、ハートの折り方を教えてもらった。
こういう時間があるから、ひとりでいることがやめられない。

気になっていることを片っ端からやっつける。
でもほんとにほんとに気になっていることにはまだあんまり手をつけていない。

惹きつけられるぐらぐら感。

呆れるほどに飽きっぽい。

ミチコちゃんが居てくれたら
そんなことない〜って
顔を真っ赤にして言ってくれただろうのに。
そうしてあたしはにやっと笑ってAVENEの水スプレーをぷしゅってかけるの。

どおんどおん、ってそらが広い。
今日は雨が降った。

すこし気が多い わたしなりに
泣いたり笑ったり   (『決戦は金曜日』)

原風景ってだれにでもあるんでしょうか。

台北で夏の終わりにやってきたスコールが異様に私を惹きつける。
駅の出口でざぁっと降り込められて。
ひざを抱えて雨宿りした夕方。
おばちゃんがどこからかやってきてかさを売りはじめ
サンダルとすそをまくったジーンズ、当時お気に入りだった黒の襟つきシャツで
じーっと道をはしりゆく人々を観察していた。
目の前にホテルがあるのに、
バケツをひっくり返したような雨で動けないの。
ずぶぬれになっちゃえばいいのに
あいにくジーンズこれだけで。
あの日のあの空気は二度とこないけれど

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