2006年03月

限りなくアフリカに近いところにいる
限りなく天に近いところだと思う
雲が低くて空が眩しい
ここでは皆やさしい
あたしが口を開けばみんな一生懸命聞いてくれるし
一人で居たいと散歩に出ればちゃんとそっとしておいてくれる
怠惰であることを誰も責めない
週末にはきちんと、ツーリストに戻る
つかの間の。
ドイツ人やフランス人にとってももちろん、
それは母国語ではなくて
誰も母国語では自分を語れないがゆえの
妙な溝というか違和感
それが今は心地よい。


(マルタ島より)

春がそこまで来た
秋から冬に代わったらずっとそのままだと思っていたのに
この間まで根っこが出ないと嘆いていたはずなのに、きちんと花が咲いてしまった
10年後も20年後も、私はそんなことを言っているのかもしれない
1ヶ月ほど、外国に行ってくる
日本から逃げたかったから
日常の自分への煩わしさから逃げたかったから、あらゆるすべてから逃げたかったから。
でもどうしようもないほどにあらゆる言葉が話せなくて、
こんな状態のあたしは果たして一人になって大丈夫なのだろうか。なってしまうのだろうか。
手を触れられただけで泣いてしまう私は、それまでどれだけ支えてもらっていたのかすっかり忘れてしまっていた。
九官鳥
閑古鳥
鳥が啼く
猫が鳴く。

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