夜空に響く音に惹かれて結局、連れて行ってもらった。
夏に花火を眺めるのがここ数年の習慣になってきている。日常に一緒にいる友達も仲間も、ぜんぜん別なのに。真夏の夜の、花火の日だけ、まるでその全ての現実をすり抜けるドアが開くみたい。
なぜ友達になったのだっけ?と話していたけれど結局お互い思い出せなかった。とても他愛のないところではじまるらしい。
相変わらずの頭のよさが私をふうわりと安心させて、相変わらずの不思議ながんばりやのところがあたしを過去に引きずり込んだ。そうして私はあいかわらず「変な女」らしい。
でもあたしが変な女であることが、友情とか愛情とか、なんだかそういう暑くて濃いもののなかをすり抜けた上でお互いつながっていられるワケなのかもしれない。
(2005/8/21)
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携帯:
「突然だけど、今日の夕方空いてる?」
「花火行く?」
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会話:
「なんで用件が花火ってわかったの?」
「昼間に花火の音がしたから。」
習慣になりつつあるから。
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帰り道:
「去年花火行ったっけ?記憶ないんだけど」
「一昨年かも」
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去年は行ってない。行っていない代わりに、去年一緒に行った人を
ぐちゃぐちゃになるまで壊した。そういう年だった。
だからこの人と去年行かなくて、よかった。
友情とか愛情とか、なんだかそういう暑くて濃くて簡単に変わっちゃうようなものは欲しくない。
感情の振れ幅が大きいこととか、こういうことにあたしは悲しいと思ったとか、
そういう話が通じるわけでもない。
帰りのバスを待つ間、ニッケイヘイキンの定義を教えてもらった。
花火を見る間下敷きにした新聞に載っていたやつ。
最後まで聞かないうちに、13分に一本のバスがやってきて、ドアが開いた。
乗りなよ、今なら座れるから。
銀行で働いて、夜にビールを飲んで、寝て、朝シャワーを浴びて、
仕事に行く。
体形がほんのすこし、変わった。
変な子だね、とは言われなくなった。
かわりに食べ過ぎて欠伸をしたら、頭をたたかれた。
ちょっと安心した。
なぜかこれを書いているうち、
上野動物園のライオンが檻の中で欠伸をしているのを、思い出した。
旧友だからじゃないけれど、大事にしようと思った。
次に会う予定もないけれど、
あたしにとってはだいじなんだとおもった。
夏に花火を眺めるのがここ数年の習慣になってきている。日常に一緒にいる友達も仲間も、ぜんぜん別なのに。真夏の夜の、花火の日だけ、まるでその全ての現実をすり抜けるドアが開くみたい。
なぜ友達になったのだっけ?と話していたけれど結局お互い思い出せなかった。とても他愛のないところではじまるらしい。
相変わらずの頭のよさが私をふうわりと安心させて、相変わらずの不思議ながんばりやのところがあたしを過去に引きずり込んだ。そうして私はあいかわらず「変な女」らしい。
でもあたしが変な女であることが、友情とか愛情とか、なんだかそういう暑くて濃いもののなかをすり抜けた上でお互いつながっていられるワケなのかもしれない。
(2005/8/21)
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携帯:
「突然だけど、今日の夕方空いてる?」
「花火行く?」
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会話:
「なんで用件が花火ってわかったの?」
「昼間に花火の音がしたから。」
習慣になりつつあるから。
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帰り道:
「去年花火行ったっけ?記憶ないんだけど」
「一昨年かも」
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去年は行ってない。行っていない代わりに、去年一緒に行った人を
ぐちゃぐちゃになるまで壊した。そういう年だった。
だからこの人と去年行かなくて、よかった。
友情とか愛情とか、なんだかそういう暑くて濃くて簡単に変わっちゃうようなものは欲しくない。
感情の振れ幅が大きいこととか、こういうことにあたしは悲しいと思ったとか、
そういう話が通じるわけでもない。
帰りのバスを待つ間、ニッケイヘイキンの定義を教えてもらった。
花火を見る間下敷きにした新聞に載っていたやつ。
最後まで聞かないうちに、13分に一本のバスがやってきて、ドアが開いた。
乗りなよ、今なら座れるから。
銀行で働いて、夜にビールを飲んで、寝て、朝シャワーを浴びて、
仕事に行く。
体形がほんのすこし、変わった。
変な子だね、とは言われなくなった。
かわりに食べ過ぎて欠伸をしたら、頭をたたかれた。
ちょっと安心した。
なぜかこれを書いているうち、
上野動物園のライオンが檻の中で欠伸をしているのを、思い出した。
旧友だからじゃないけれど、大事にしようと思った。
次に会う予定もないけれど、
あたしにとってはだいじなんだとおもった。