先週師匠と話していてわかったのが、深呼吸をおろそかにしている人、多い。
そのうちにオラクルカードの扱い方と深呼吸をする会をやろうと思う
風の人とビールを飲む。
「昔はね、自分もクリスマスはこうあるべき、みたいなの、あったのね。
でも今年はなんにも考えてない。
クリスマス、誰と過ごすの?っていろんなひとに、
聞かれるけれど、
どこにいるかもまだ決めていない。」
「去年のクリスマスは、わたしビルニュスにいて、クリスマス市をみて、小さなホテルにとまって、そこにはとびっきり美人で感じのいいフロントのおねえさんがいて、物乞いのお兄ちゃんが、お金をたのむかわりに、わたしのためにしあわせを祈ってくれた。
母のために琥珀のネックレスを、露店で探して。それで19時になったら、ミサにいった。すっごく美しいの。
お店は18時ぐらいでぜんぶしまっちゃうから、キオスクでコーヒーとホットドッグを買って帰った。誰とも過ごさなくてもものすごく楽しかった。
それで来週、「知らない人と話す会」に行こうと思ったんですけど、応募条件が「去年のクリスマスに寂しかった人」なんですよね。
わたし、去年はビルニュスにいて全然寂しくなかったから、もうそういう俎板に、おさまらなくて。
もし来週にその会にいったら、ビルニュスとはいったいどこなのか、なぜクリスマスにわざわざそんなところにいったのか。そういうところから話をしなければならない。そこがどんなに美しくて、物乞いの人がわたしのために幸せをいのってくれたところまで、きっと時間内に話がいきつかない。それってやだな。って。」
※ビルニュス。Vilnius。リトアニア共和国の首都。ロシア語も通じる。
「いつぶりだっけ。」
「6月に、みんなで、うちにいらして以来?」
「そうそう、最近会ってないなあとは思ってたんだ。」
この人の記憶に時折わたしが出てくるなんてちょっとオドロキである。
あの日は、あのあと、河沿いを歩いて帰ったんだ
6月の24時のネヴァ河沿い。
寒いに決まっているのだけれど、
この人は通らなくても帰れるところを、わざわざそういうところを通って帰っていく。
大きいビールと、小さいビールを頼む。
ビールが運ばれてきた。
大きいのが彼のコースターへ、小さいのが私のコースターへ、置かれた。
あの店員さん、間違わなかったね。
大きいビールがあなたの方に置かれなかった、といってくすくす笑った。
そのひと:「(ハルカ、)結婚した?」
わたし:「してない」
そのひと:「タケがね、良く会うんだけど、そうなんじゃないか、って。」
以前からこのひとすごいと思うのは、そういう他人の再生産によるグレーな噂話を、
次いつ会えるかわからないのに次に会うときまでそっととっておいて、
変に噂話として必要以上に再生産したり、チャットで中途半端にきいたりせず、
次いつ会えるかわからなかったけれどそれでもちゃんとやってきた二人きりの時に、
わたしの目を見て、わだかまりなくさらっときいてくれるところ。
はじめてあったときから、わたしの像はこの人の中の、けっこうしっかりした位置に住んでいるようで、それは仲間かとか恋愛感情かとかそういうのとはまた違った位相で、どうでもよくない相手だからきちんときいてくれるんだとおもう。
私はその人を「苗字+サン」、と呼ぶのだけれど
その人はわたしのことを「あなた」と呼ぶ。
でもこれをロシア語に訳したら、
たぶん、вы (あなた)ではなくты(君)なんだとおもう。