夜空に響く音に惹かれて結局、連れて行ってもらった。
夏に花火を眺めるのがここ数年の習慣になってきている。日常に一緒にいる友達も仲間も、ぜんぜん別なのに。真夏の夜の、花火の日だけ、まるでその全ての現実をすり抜けるドアが開くみたい。
 なぜ友達になったのだっけ?と話していたけれど結局お互い思い出せなかった。とても他愛のないところではじまるらしい。
 相変わらずの頭のよさが私をふうわりと安心させて、相変わらずの不思議ながんばりやのところがあたしを過去に引きずり込んだ。そうして私はあいかわらず「変な女」らしい。
 でもあたしが変な女であることが、友情とか愛情とか、なんだかそういう暑くて濃いもののなかをすり抜けた上でお互いつながっていられるワケなのかもしれない。