今日はその人と突発的焼肉会をした。
切符を既に買って電車に乗ろうとしていた筈なのに、それでもまた何も言わずに待ってくれていた。
私の靴が壊れた日に出会った、突拍子もないひとである。
なんだか丸くなっていて、そのせいだかちょっとかっこよくなっていて、
安定していて、嬉しかった。
60分間焼肉食べ放題をなぜかご馳走してくれて、
私の哀しみをその人がやっと、わかるよ、と言ってくれた。
失われた形あるものは取り戻せないかなしみ。
小さいころから積み重ねた私の感覚を話すことの出来る人に会いたい。
おしゃべりのくせに、そういう私の話は黙ってちゃんと聞いてくれる。
形の見えるものに拘るな、精神的えろすをめざせ、精神だったら取替えは利くから。
言いたい放題たくさんたくさん言って、それでもそのひとのいいところは
決して私の落ち度を責めないところだ。
おまえがバカなんだよ、とひとこと言ってしまえば済むはずだったのに。
だから哀しくなると、ときどき私はここに来る。
なんでこんなに素敵な人に囲まれていたんだろう、と今更ながらに思う。