夏にモスクワの空港でひどくひどく後悔した日から、閉じた勘を開いて生きようと思った。いつのまにこんなに好きなんだなあ。腕も人柄も。そして思った。わたしたちたぶん二人とも、(誤解を恐れないで言うなれば、ある意味両想いなのに、)お互いの想いに、鈍感。