風の人に、風の人でいてほしいと思うから。ポーチの修理

2016年12月16日

そっととっておくグレー

「いつぶりだっけ。」

「6月に、みんなで、うちにいらして以来?」

「そうそう、最近会ってないなあとは思ってたんだ。」

この人の記憶に時折わたしが出てくるなんてちょっとオドロキである。

あの日は、あのあと、河沿いを歩いて帰ったんだ

6月の24時のネヴァ河沿い。

寒いに決まっているのだけれど、

この人は通らなくても帰れるところを、わざわざそういうところを通って帰っていく。

大きいビールと、小さいビールを頼む。

ビールが運ばれてきた。

大きいのが彼のコースターへ、小さいのが私のコースターへ、置かれた。

あの店員さん、間違わなかったね。

大きいビールがあなたの方に置かれなかった、といってくすくす笑った。



そのひと:「(ハルカ、)結婚した?」

わたし:「してない」

そのひと:「タケがね、良く会うんだけど、そうなんじゃないか、って。」

以前からこのひとすごいと思うのは、そういう他人の再生産によるグレーな噂話を、

次いつ会えるかわからないのに次に会うときまでそっととっておいて、

変に噂話として必要以上に再生産したり、チャットで中途半端にきいたりせず、

次いつ会えるかわからなかったけれどそれでもちゃんとやってきた二人きりの時に、

わたしの目を見て、わだかまりなくさらっときいてくれるところ。

はじめてあったときから、わたしの像はこの人の中の、けっこうしっかりした位置に住んでいるようで、それは仲間かとか恋愛感情かとかそういうのとはまた違った位相で、どうでもよくない相手だからきちんときいてくれるんだとおもう。

私はその人を「苗字+サン」、と呼ぶのだけれど

その人はわたしのことを「あなた」と呼ぶ。


でもこれをロシア語に訳したら、

たぶん、вы (あなた)ではなくты(君)なんだとおもう。



coloro at 09:23│日記 
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