[作文がちょっとぐらい上手に書ける子より、
好き嫌いしないでなんでも食べられる子の方が、ずっと偉いのよ!]
映画『おもひでぽろぽろ』が公開されたのは十年近く前だと思う。
妙子の母のことばを、
好き嫌いばっかりしていた当時のあたしは[神妙な]面持ちで聞いていた。

小学校のときは、
頭のいい子でちやほやされてた。
人よりちょっと頭の回転?が速くて、
周りの子より作文がちょっとだけ上手い子だ、と。


最近は何事に於いても中途半端な、
普通のモラトリアム大学生。
ちやほやの構図が、やっと最近壊せつつある。
人の価値は頭のよさではない。
それを人に知ってもらおうなんて道を選ばなくて、よかった。
いや気をつけないと選びかねないけど。
日本の知識人は、
[傲慢な認識者]たちである、とは私の言葉ではないが、
たしかにこのあいだノーベル賞を受けていた田中さんのような人はとんと見掛けない。

価値のない人なんていないよ、
誰かの代わりになれる人なんていないよ、
というのは私の友達の言葉であって、私の言葉ではない。
私がそういう心境になれるのは
一体いつの日か。